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【地方創生☆政策アイデアコンテスト糸島実践編Vol.10~最終回】

糸島市 岡祐輔 (福岡県)

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指定しない 2018/09/14 17:07:11

こんにちは。地方創生☆政策アイデアコンテスト2016地方創生担当大臣賞・帝国データバンク賞、2017帝国データバンク賞をいただきました糸島市の岡祐輔です。
あっという間に最終回となってしまいました。これまで全10回にわたり、連載させていただく機会をいただき、ありがとうございました。少しでも皆さんのお役に立つことができたのであれば幸いです。

政策立案だけでなく、事業として実践した後まで紹介させていただくことで、自治体職員の皆さんの事業の参考になったり、地方創生☆政策アイデアコンテストの審査要件にもなっている「実現可能性」を政策立案の段階で考えていただく機会になってほしいと思います。最終回は「だしスープっ鯛!」の取組みの紹介と、この糸島版マーケティングモデルに関する他の動きもあわせて紹介します。

【第10回 第2弾糸島産天然真鯛だし「だしスープっ鯛!!」の誕生】
糸島市は天然真鯛の漁獲量が6年連続日本一。年間1000トン以上が水揚げされ、2位と倍ほどの差があります。「二艘吾智網(にそうごち)」と呼ばれる船2隻がチームで網を引く伝統的な漁法です(添付①)。漁場の玄界灘(筑前海)は、平安時代にまとめられた「延喜式(えんぎしき)」という書物に、全国10余りある鯛の産地の一つとして名前があがっており、糸島地域から朝廷への献上品にもなっていました。古くから、この天然真鯛が多くの方に愛されてきたことが伺い知れます。

糸島市食品産業クラスター協議会の水産加工メーカーが手を挙げ、糸島産天然真鯛を使った真鯛スープが選ばれました。真鯛をフィレにした後、もともと廃棄されていたアラを使った商品です。RESASでもお馴染みの域内の経済循環ですが、付加価値額を高めていくための「地元の農林水産物を加工して域外に売る」という仕組みです。

試行であった糸島産ふともずくのとき以上に、高校生たちは市場調査データ、アンケート調査、漁師さんへのインタビュー、漁場や加工工場の見学、レシピ提案会など、水産加工メーカーの社長と、プロの商品開発を一緒に行います(添付②)。飲食店や百貨店、専門店などのアドバイスをもらいながら、実に10回以上の試作を繰り返し、最終的に糸島産天然真鯛を100%使った「だしスープっ鯛!!」が完成しました。成分量の多い方から記載される食品表示ラベルを見ても、一番最初に真鯛エキスがあることがわかり、糸島ならではの商品です。
現在、販売開始して3か月弱ですが、販売していただく企業や消費者の意見をしっかり聞いて開発しているので、やはり興味を持っていただける店舗が多く、売上も伸びています。テレビ、新聞などのメディアにもたくさん取材していただき、高校生たちも、色々な賞に挑戦したり、催事や店頭に立って積極的に販売してくれています(添付③)。

「だしスープっ鯛!!」テレビ放送の動画(掲載期限:平成32年3月31日)
https://youtu.be/8csFY0iVUfc

付加価値額の話を上述しましたが、第5回に紹介した折れ線グラフの比較を使って政策効果をRESASで見てみると(添付④⑤)、食料品製造業は、事業所数こそ増えていませんが、商品出荷額や付加価値額は増え、1事業所あたりの儲けが増えています。つまり労働生産性が高まっていることになります。「鉄は熱いうちに打て」とありますが、糸島版マーケティングモデルも、このようなトレンドを後押しするような事業として、糸島食材をブランド化し、食品製造業や小売業、飲食サ―ビス業などの稼ぐ力の向上につなげたい想いです。
第2弾商材「だしスープっ鯛!!」をきっかけに糸島産天然真鯛自体がブランドとして育っていくことで、地域の付加価値額が高まるきっかけになると考えていますが、実際に糸島市内では、鯛ラーメン、鯛サンド、鯛茶づけ、鯛ごはん、鯛の香味焼など、鯛商品を見かけるようになり、いい傾向が伺えます。

そして第3弾の商材は「糸島産メンマ」に決定しました。糸島の竹林から竹を切り出し、国産メンマを作っている会社と連携して、新しい商品と売り方を創り出していきます。ビジネスとして成功すれば、放置竹林対策にも貢献できる取組みです。
この事業は、小規模事業者のマーケティング支援として、小さく始め、大きく育てようという想いで始めました。常に改善を行いながら、広げていくことを考えています。平成30年度は、地方銀行とも連携して、糸島市食品産業クラスター協議会から応募された全商材に対して、飲食店、専門店などのバイヤーの皆さんを高校にお呼びし、開発段階から市場とターゲットを意識できる流れにしました。高校生と一緒にバイヤー向け試食会を開催し、選定された糸島産メンマ以外の商材も、銀行と一緒に事後的にバイヤーの方々とのマッチングを行い、商品のブラッシュアップや販売戦略を立てるように進めています(添付⑥)。

偶然ですが、産学官金言を巻き込み、地方の平均所得を上げるという地方創生事業の形になってきました。今後、クラスター協議会以外の市内全域の事業者へ対象を広げていければと夢見ながら、これで全10回の投稿を終わりたいと思います。
これまで投稿をご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。少しでも参考にしていただける部分があれば幸いです。

ちょうど今、政策アイデアコンテストの募集中で、締切りが10月10日(水)までとなっています。下記のホームページには、これまでの受賞者のアドバイスも掲載されています。
ぜひ、ご応募ください。
https://contest.resas-portal.go.jp/2018/

糸島市にも、ぜひ遊びに来てくださいね!
▼きっと満足 糸島生活
https://itoshimalife.city.itoshima.lg.jp/
▼糸島スタイル!もっと糸島!
http://fukuoka-yokamon.com/matome/itoshima
▼いこいこ糸島観光スポット
http://www.itoshima-kanko.net/
▼糸島市ふるさと応援寄附
http://www.city.itoshima.lg.jp/furusato/index.html

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